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五井野正博士の世界

原発による環境及び人的影響P

7月12日の各新聞の原発記事を詳しく分析

安全評価など関係なく初めから再稼働ありきの形式的テスト

 そこで、7月12日の読売新聞一面(写真@)トップ記事の中だし読むと「政府は11日、全国の原子力発電所を対象にした安全性の新基準に関する『政府統一見解』を決定した」に始まって「具体的な検査項目は今後、内閣府の原子力安全委員会が決めるとしており、運転再開の時期はなお不透明だ」という文章で終わる。
 そして、核になる記事の内容は、安全評価の新基準を菅首相と枝野官房長官、海江田経済産業相、細野原発相が7月11日午前に詰め、その結果、欧州諸国が導入したストレステスト(耐性検査)を参考に、@定期検査で停止中の原発の運転再開を判断する1次評価A運転中の原発の継続・中止を判断する総合的な2次評価の2段階で行なうとした。
 その後に、長々と詳細の記事が続くが、専門家や関係者でないと、読んでも頭に入らないだろうからほとんどの読者はここでストップしてしまうと思う。
 そこで、2面を開くと政府の新基準に関して「原発立地の首長ら批判」とあり、浜岡原発を抱える静岡県知事は「中身がわからず、あてにならない」とコメントが掲載されている。確かに記事を読んでいる限りでは読者も硬い言葉ばかりの羅列で読みにくいとか、評価の中身が具体的に明らかにされていないとか、読者も記事を読む内に興味が薄れて何だか良くわからなくなってしまうであろう。
 そこで、3面の総合版(写真A)を読むと「原発迷走の統一見解」という大見出しで、その下に「詳細安全委丸投げ」「首相・経産相の対立回避優先」という見出しが入る。
 どうやら6月29日に海江田大臣が佐賀県に訪問し、知事に玄海原発の再稼動を要請、岸本玄海町長が了承してプルサーマル原子力の玄海原発が再開!という時に、地元の反対派や反原発家にとっては間一髪のところで菅首相が7月6日にストレステストの実施後に再稼動を決める、とストップをかけたのが問題の始まりとなっている。
 そこから国会やマスコミが二分するような大騒ぎとなり、政府・官僚の間でも管首相の提案に賛成・反対の意見が真二つに分かれて政府内部の権力争いとなる。そして、この問題のこじれで野党の追求を受けた経産省の海江田大臣が涙を流してしまった映像がマスコミの話題となった事はまだ記憶に新しいと思う。
 そして、海江田大臣が辞任する一歩手前で、やっと管首相側と経産相側との政府内対立回避の為の緊急的な妥協案が練られた。それゆえ「政府統一見解」の案は原発再開、あるいは全原発の停止という、どっちにも取れるようなわかりにくい案となったと言える。
 すると、統一見解となる新基準の中身はどうなのか?と興味を持つ人は中身の記事を読んでいく事になるが、そうでない人はまたゴタゴタ問題かと、記事の見出しだけで読むのを止めてしまうだろう。
 中身の記事は11日午後の衆議院の特別委員会で海江田経済産業相が「ストレステスト(耐性検査)をやった後に再稼動する方針が決まった」とのコメントが掲載され、テスト内容は簡易的な「1次評価」とすることが記述されている。
 要は、安全評価など関係なく初めから海江田大臣のメンツを組んで、再稼動ありきの形式的テストの1次評価を行う事で、政府内部の対立を回避した妥協の決着方針に沿ってということらしい。 


新聞各社には編集方針があり1紙読んだだけでは理解しづらい

 となると、初めから合格させるための想定内のテストと言えるが、そのテスト(新基準)の内容については、枝野官房長官が記者会見で「原子力安全委員会が独立性をもって確認する」とあり、安全委に丸投げする姿勢に終始したという記事になっている。
 すると、その記事(写真A)の左真ん中当たりに「安全委『再稼動は政府判断』」という見出しが理解できてくる。内容記事は原子力安全委員会の斑目春樹委員長が政府の方針を受けた11日午後の記者会見で「安全性評価は再稼動の判断と関係ない」と述べ、安全委員会に丸投げした1次評価を再稼動の根拠にしたい政府の統一見解とは足並みを揃えたくないという発言となっている。
 確かに、経済産業省は原子力推進派だし、その省下にある保安院も推進派である。それに対し、安全委員会は本来なら中立で推進派に対する安全ブレーキ役になっているはず。ところが、初めから再発進できるようにブレーキを調整しろ(ブレーキがかからないようにしろ)という指示を受けたならブレーキなど必要ないどころか、それこそが欠陥を作り出すテストとして理解されてしまう。
 そこで、本来なら安全性のテストをして安全性が確認できないなら原発の再開は認めないと安全委員会が言うべきところを首相と海江田産業相の対立的な立場を考慮した形で原発の再開は政府の判断と述べてテスト結果による原発再稼動の責任を安全委員会は回避した発言ともとれる。
 このように新聞を丹念に読んで分析しないと良く意味が解からないままに終わってしまう。読者はここまで読んだだけでも文面の奥に隠された一つ一つの言葉の意味をいちいち解読していくのは大変だなと思うだろう。しかしながら、新聞各社にはその社の編集方針というものがあり、読売新聞にも色があるから、この1紙だけ読んだだけでは正しい判断がつかないし、また良く解からないのである。
 そこで、次に同12日の朝日新聞の朝刊を見てみる。一面トップは「原発再開はテスト後」、という見出しになっており、朝日も原発再稼動が主要な記事になっている。


原発の安全評価は安全委が決めるのではなく電力会社が安全かどうか決める

 本文記事では「評価は電力会社が行い保安院が点検する。さらに安全委が妥当かどうか確かめる計画だ」という読売新聞では探し出せなかった記述を見つけ出すことができた。 
 なーんだ、何のことはない。安全評価は安全委が評価して決めるのではなく、電力会社が安全かどうかを決めるのである。
 となると、かつてだいぶ昔に車の定期検査(車検)で検査官がタイヤ部分をカナヅチでたたいて”問題ない“”安全だ“と検査しただけで車検が通ったという冗談みたいな話を思い出したが、それとどこか似てくる。
 その話が本当だとすれば、検査官は整備会社の安全整備を信用しての事だと思うが、同じようにして原発の安全評価も電力会社が安全整備したと信用して保安院がカナヅチをたたいて検査するのかどうかは解からないが、ともかく安全委が電力会社の評価を妥当かどうかを確かめる訳だが、実際には電力会社が出した書類を確認するだけで終わってしまうだろう。
 つまり、安全委員会は福島原発事故前だと書類さえきちっとそろっているならば仮に欠陥だろうと何だろうと、”問題ない“”安全だ“と印をついてしまっていたかもしれないのだ。ところが、福島原発事故が起き、原子力の”安全神話“が崩れ去って東電や保安院、そして、安全委員会までが国民の批判の局面に立っている中で、もうこれ以上ズサンな評価をそのまま信用できなくなってしまったと言える。

(次号へ続く)

              
五井野 正 (ごいの ただし) 科学者・芸術家
ウィッピー総合研究所 所長 / ロシア国立芸術アカデミー名誉正会員
スペイン王立薬学アカデミー会員 / アルメニア国立科学アカデミー会員
フランス芸術文化勲章受章
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