秋田県発!秋田のフリーペーパー【あおぽ(青いポスト21)】|「あおぽ」は秋田市内のほぼ全戸にポスティング。さらにチラシの選別配布ができ、的を絞った情報発信が可能です!魅力的なトピックスとともに、地域の企業・店舗・教室・求人情報などを載せており、高いレスポンス実績があります。秋田県ネットユーザーアンケートのフリーペーパー部門にて第一位の連覇実績。一番多くの方に読まれています!
五井野正博士の世界

東日本大震災のゴミ処理問題を考える

話し手・・・五井野正
聞き手・・・石塚由紀子(あおぽ編集長)

特別インタビュー@

前号は昨年3月11日の東日本大震災のガレキの処理について先生に原稿を書いていただいたのですが、今号ではそれについてさらに詳しくお話をお聞きしたいと思います。

 ガレキと言ってもほとんどは津波によって流されたり、壊されたりした家屋が山のように積み重なっているんですね、その中には家庭用ゴミがたくさんある訳です。そうなると産業廃棄物とも言えない―。地域住民のゴミと考えると結局はその地域の市町村が処理しなければならない訳です。

でも今回は大災害によって起きたゴミ問題なのに国がどうして処理できないんですか?

 国道とか1級河川とかなんかは国の管轄なのでガレキ処理して保全しなければいけないのですが、住民たちが出すゴミは国の行政管轄外なのです。しかし、石塚さんが言われた通り、これは大災害なんですから、国は災害支援としてガレキ処理のために3500億円の予算をつけましたが、処理の実施はあくまでも市町村であり、地方自治体なのです。

では予算がついているのに何故市町村がガレキ処分しないのですか?

 前号の“あおぽ”で述べたように放射能の問題があるからです。ガレキの大半は焼却が可能なゴミなんですが、焼却前は放射能の量が少なくても、焼却するとそのゴミに含まれる放射性物質の半分弱は大気中に煙と一緒に出ていきます。
 残りの半分強は焼却灰の中に残りますが、放射性物質を含むので法律的には低レベル放射性廃棄物として処理されなけれななりません。
 2009年に原子力安全保安院が安全基準を1kgあたり1000ベクレルと定めたんですね。ところが、今回原子力事故があって、関東・東北にも多量の放射性物質が拡散したために1kgあたり1000ベクレルを超える焼却灰が各地で出てきて混乱しました。
 そこで、政府は1kgあたり8000ベクレル以下は埋め立て処理してもいいと言い変えました。

じゃあ8000ベクレル/1kgを超えたらどうなるんですか?

 とりあえずドラム缶の中に密封して、それを放射線量が安全な基準まで下がるまでコンクリートの中に閉じこめていなければならないのです。

それだと放射線量が高いガレキの処理は手間とスペースの問題や管理の面で大変ですね。

 そうです。それでガレキ処理が進まなくなるし、焼却する時に煙と一緒に出る放射性物質の問題も市民にとっては問題な訳です。そこで全国各地のゴミと一緒に焼却すれば水増し(ゴミ増し)になって1kgあたりのベクレル値は下がる訳です。
 そうすれば、水増しした焼却灰を埋め立てられるという訳です。しかし、放射性物質は焼却しても消える訳ではないから量としては同じ訳です。それに、焼却する時に放射性物質が大気中に拡散されるし、1kgあたり8000ベクレル以下の焼却灰だとしても低レベル放射性廃棄物には変わりないのですからガレキ処理を受け入れる住民たちは当然不安がるし、反対する訳です。そこで、大震災から1年も経ち一向にガレキ処理が進まないので野田首相が地方自治体にガレキを受け入れるよう文書を出したのです。
 それでやっと各地の市町村も条件付きでガレキを受け入れる事にしたのです。例えば、7府県で構成する関西広域連合が受け入れるガレキの放射性セシウムの量を1kgあたり100ベクレル以下とし、埋め立てる焼却灰は1kg2000ベクレル以下の国より厳しい統一基準を決めたのがよい例です。と言っても、2009年の原子力安全保安院の安全基準よりは2倍もゆるやかなんですね。

そうですか。するとこれからもガレキを受け入れる住民との間にトラブルが生じてくるでしょうね。ところで焼却できないガレキはどうなるんでしょうか?

 これも問題ですね。ガレキの中にはコンクリートや鉄などの金属類もあります。本来なら 分別してリサイクル処理という形でガレキを処理できるのですが、やはり放射能問題が起こってくるのです。

そうですか。分別処理といえば、先生は世界で最初のゴミ分別処理プラントを川崎市に作らせた事で米国やヨーロッパで有名ですね。最近カーター元大統領も先生のリサイクル活動を知ってわざわざ川崎市の清掃局を訪れたという話が話題になりましたよね。

 そうですね。私は19歳くらいまでは川崎市に住んでいました。当時、東京都の夢の島に23区の清掃局が競ってゴミを捨てていましたが、ゴミがこれ以上捨てられないという事でストップするというゴミ戦争が大きな話題となっていました。
 当時は燃えるごみも、燃えないゴミも、つまり、金属類も一緒に埋め立て処分をしていたのです。そこで昭和44年に私は父親と一緒に川崎市の清掃局長と会って一年間の川崎市のゴミの量はこの位で、その中から鉄や非鉄の量はこの位で、それを焼却できるゴミと分別して廃品回収業者に売却すればこの位の収入になり、また、残りのゴミも焼却処分すればこれだけゴミの量も減るという計算書や収支書などを提出してプラントの設置の要望を行ったのです。
 それで、川崎市の清掃局がゴミの分別処理プラントを設置したのですが、実はこれが世界で最初の分別処理プラントとなり、デンマークやドイツがこれに見習って、市民にも協力してもらう形で分別ゴミ箱を設置したシステムを作り上げたのです。
 私は米国やデンマークでも環境問題の講演をして大反響となり、米国の知事から環境アイデア賞をもらったり、“貴方だったんですね。日本をきれいにした人は”とデンマークの首相補佐官から言われたりしました。

日本の誇りですね。

 イヤ、ほこりを片付けるのですよ(笑)

先生はリサイクル運動の先駆者で小学校人たちからも5年の社会科の教科書(写真)にも載りましたよね。日本だけでなく世界の先駆者でもあったんですね。ロシアの教科書にも先生の名前が載っているとロシアの聞きました。そういった話をさらに次号もお話ししてください。

あきかん公害をうったえる人々という項目で小学校の教科書に掲載されたウイッピー活動。
中央の写真。
企業に空缶をお返しするためにトラックに空缶を満載してアピールする。
ウイッピーメンバーが手にする「空缶通行禁止」の表示の下に「ウイッピー」という縦文字が書かれている。


              
五井野 正 (ごいの ただし) 科学者・芸術家
ウィッピー総合研究所 所長 / ロシア国立芸術アカデミー名誉正会員
スペイン王立薬学アカデミー会員 / アルメニア国立科学アカデミー会員
フランス芸術文化勲章受章
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