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ジャーナリスト 恩田勝亘 特別寄稿

迫りくる日本の危機

東海地震と浜岡原発@ 〜チェルノブイリ4号炉中枢に突入した記者からの報告


原発5機が集中する中部電力 浜岡原子力発電所

 東海地震の前ぶれのような8月11日の地震に、被害をまともに受ける東海地方住民は当然、日本全国で震え上がった人も多かっただろう。地元に原発のある地域住民はもとより、原発はなくてもその事故の恐ろしさを理解している人たちだ。
 それというのも150年から200年おきに起こるとされる東海地震は、マグニチュード(M)8.5前後、震度8クラスという超巨大地震。その震源域とされる静岡県一帯の中心部、太平洋に面した御前崎のすぐそばに中部電力浜岡原子力発電所があるからだ。
 同発電所は山梨県から三重県まで中部地方6県に電力を供給する中部電力唯一の原発で、5機が集中的に建てられている。そこに巨大地震が起きたらどうなるか。
 今回の地震について国の機関は、直ちに東海地震につながるものではないというが、それを否定する学者、専門家も少なくない。どちらであれ、発生場所が東海地震震源域内の駿河湾で、M6.5、震度6弱という今回の強い地震は本来の東海地震一歩手前といってもいい。それに浜岡原発はどう反応したか。
 1号機は02年から、2号機は04年からすでに運転停止して廃炉同然だった。老朽化を理由に最近やっと正式に廃止を決めたが、実態は両機ともトラブルで停止後、どう補強しても地震には耐えられないために廃止したのが実情。すでに死に体で、生きているのは3〜5号機。このうち3号機が定期点検のために運転停止中で、動いていたのは4号機と5号機。両機ともに地震を感知したところで自動停止した。


原発は地震を感知して停止するから安全とは言えない

 1976〜78年に稼した1、2号機は出力100万キロワット(KW)以下の旧世代小型原発だが、3〜5号機は87?05年稼働の100万KW超の新世代大型原発である。原発は一定の地震強度を感知すると自動的に運転停止する仕組みで、新世代ほど技術的に進歩しているとはいっても停止すれば安全という 1976〜78年に稼働した1、2号機は出力100万キロワット(KW)以下の旧世代小型原発だが、3〜5号機は87〜05年稼働の100万KW超の新世代大型原発である。原発は一定の地震強度を感知すると自動的に運転停止する仕組みで、新世代ほど技術的に進歩しているとはいっても停止すれば安全というわけではない。
 07年の中越沖地震に見舞われた東京電力柏崎刈羽原発は、7機ある原発すべてが中部電力3〜5号と同じ新世代の100万KW超級。M6.8、震度6強と地震規模は今回のそれよりやや上回るとはいえ、全面ストップしたまま再起できないでいる。一番被害が軽かった7号機をやっと試運転させるところまできたが、運転再開には反対する声も強い。それだけ地震によるダメージは深かったが、浜岡原発の被害もこれから精密に検査しなければ詳細はまだ不明だ。
 地震直後に判明したことで注目すべきは、5号機の制御棒が損傷したという報道(毎日新聞)、および3、4号機の揺れが震度5強であったのに対して、5号機だけが震度7相当だったという報道(日経新聞ほか)である。
 制御棒というのは炉心と呼ぶ原発の心臓部にあるもので、ウラン燃料を燃やす(核分裂させる)のをコントロールする装置。原発の中枢部は圧力容器という水の入ったカマで、一般に原子炉と呼ばれているところ。その中に燃料棒と制御棒が納められ、燃料棒の間に制御棒を出し入れすることによって原子炉を動かしたり、止めたりする。もしそれが損傷したとすれば車のアクセル、ブレーキが効かなくなることを意味し、運転中だったら暴走する恐れがある。
 原子炉が暴走すればどういうことになるか。最悪のケースは86年の旧ソ連(現ウクライナ)で起きたチェリノブイリ原発事故だ。同事故では放射能被曝による公式の死者は80人程度とされているが、関係者の証言では早めに死んだ人だけで数千から数万人は下らない。さらに事故後から現在まで、さらにこれからガンや白血病で死ぬ人は数十万人というのが多くの専門家の見方だ。


電力会社の習い性になっているのが事故隠し癖

 そんな重大事故にもつながる制御棒損傷とはどういうことか。
「地震直後に発表した事象のなかで、『制御装置の異常を示す警報ランプが点灯』という表現はありますが、制御装置そのものの損傷とは言っていません」(中部電力広報室)
 つまり報道の先走りというわけだが、では損傷がなかったと言いきれるかといえば決してそうはいかない。東電柏崎刈羽原発でもその後の精査でさまざまな重大事実が判明したからだ。5号機だけがなぜ大きな揺れに見舞われたか、中部電力自身「これから検証します」(広報室)という通り、本当の被害実態が判明するのはこれからだ。
 さらに電力会社の習い性になっているのが事故隠し癖。自分に不都合なこと、とりわけ原発にからむトラブルは原因が地震であれ、人為ミスであれ、隠せるものは隠そうという長年の悪い癖がある。中越沖地震の前、電力会社の事故隠しが次々に発覚。たまりかねた経産大臣が、各社が過去に隠していた事故やトラブルを一斉に申告させた。狙いは一気に吐き出させることにより無罪放免しようというものだった。
 すると出るわ出るわ。水力、火力も含むため、申告件数は全社合わせて1万件にも及んだ。その中で原発関係のそれは千数百件。もちろん軽微なトラブルもあったが、中にはとんでもない重大事故が隠されていた。東京電力を含む2〜3社で起きていた制御装置に関わる事故である。制御棒が動かなくなったり、勝手に動いたりした事故を隠していた。制御が効かなくなったら原子炉は暴走し、チェリノブイリ級大事故につながりかねない。それだけ重大事故だったからこそ隠していたともいえるが、原因と責任追及する間もなく、中越沖地震地震による東電の原発震災にかき消されてしまった。
 したがって今回の浜岡原発も含め、地震による原発被災の実態がどいうものか。解明はこれからだ。
 浜岡原発の被災を機に、原発を地震が襲うとどういうことになるかを次回で検証したい。(了)


       
恩田 勝亘
恩田 勝亘(おんだ かつのぶ) ジャーナリスト
1943年生まれ。'71年より'07年まで講談社「週刊現代」記者として、国内外の政治、経済、社会問題を取材。主テーマの一つが原子力問題。 06年にはチェルノブイリ4号炉中枢に突入。
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