秋田県発!秋田のフリーペーパー【あおぽ(青いポスト21)】|「あおぽ」は秋田市内のほぼ全戸にポスティング。さらにチラシの選別配布ができ、的を絞った情報発信が可能です!魅力的なトピックスとともに、地域の企業・店舗・教室・求人情報などを載せており、高いレスポンス実績があります。秋田県ネットユーザーアンケートのフリーペーパー部門にて第一位の連覇実績。一番多くの方に読まれています!
ジャーナリスト 恩田勝亘 特別寄稿

迫りくる日本の危機

東海地震と浜岡原発B 〜チェルノブイリ4号炉中枢に突入した記者からの報告


 あおぽでは原発が地震に襲われ事故を起こせばどうなるか、2回にわたり恩田氏に原発の仕組みと地震の関係をリポートしてもらったが、最終回として実際に大事故が起きたときはどうなるか。事故発生からその後にはどんな事態が待ち受けているか。過去の大事故がどういうものであったかを検証してもらい、原発と地震の問題を考える事にした。
 秋田県に原発はない。しかし、北側の北海道には泊原発、青森には東通原発と六ヶ所村の各種原子力施設、東側は宮城の女川原発、南側には福島の福島弟1、弟2原発、そして新潟の柏崎刈羽原発に囲まれている。その数は23基にも及び、どこかで大事故が起これば大変なことになるのがわかる。

地震が起きたら取り返しがつかない原発事故の怖さとは…

 原発事故はさまざまな要因で起こるが、日本で大事故になる可能性が高いのはやはり地震だろう。各原発とも立地するに当たっては、その地域の断層や過去の地震記録をもとに耐震強度を算出して設計、建設されている。とはいっても国も電力会社も地震と原発の安全性を再検討し、耐震性の見直しをはかったのは近年になってからである。06年に耐震設計の見直しが行われたが、まだ不十分とする意見が少なくない。 
 起きたら取り返しがつかない原発事故の怖さとはどういうものか。被害は核爆弾のような爆発力によるものではなく、内部に貯め込まれている放射能が外界へ放出されることだ。原発で使われる燃料は核爆弾になる90%以上の高濃縮ウランではなく、3〜4%の低濃縮ウランなので核爆発は起きない。爆発が起こるとすれば前号で述べたように原子炉が空だき状態になり、燃料棒や制御棒が超高温でドロドロに溶けて崩れ落ち、水と反応して水蒸気爆発や水素爆発を起こしたりするケースだ。その場合も爆発そのものによる被害は原発内にとどまり、周辺まで及ぶことはない。
 問題はそこで放出される放射能だ。原子炉で燃やされた使用済み燃料には、核分裂にともなって生まれたヨウ素やセシウム、ストロンチウムなど、100種類以上もの核分裂生成物(放射性生成物)と呼ばれる燃えカスが詰まっている。別名“死の灰”と呼ばれるものだ。それが事故の規模によって発電所内はもとより、周辺一帯、さらにはチェルノブイリ事故のように国境を越えてバラまかれる。


放射能による被曝の恐ろしさは 何年にも及ぶ身体への影響

 原発事故はその大小によってレベル1から7までランク分けされる。最大のレベル7は1986年のチェルノブイリ事故で、放出された“死の灰”は欧州全域はもとより、事故1週間後には日本にも到達。その後、ハワイでも検出されている。それ以前に原発事故の恐ろしさを世界に知らしめたのは79年の米スリーマイルアイランド島(TMI)事故だ。レベル5にランクされる同事故は、日本で使われている原子炉と同タイプのものだが、設計ミスと運転員の判断ミスにより、原子炉(カマ)が空だき状態になって起きた事故だった。
 原発は多重防護といってさまざまな安全装置が施されている。空だきの危険が発生すれば緊急炉心冷却装置でカマに水を送り込む仕組みだが、運転員はそれも切ってしまうという二重、三重のミスを犯した。結果、燃料棒や制御棒の一部が核分裂による超高熱で溶けて崩れ落ちるメルトダウン、いわゆる炉心溶融という最悪の事態を招いたもの。
 幸い溶けた燃料や金属の塊がカマの底を突き破るまでには至らなかったが、大量の“死の灰”が8km圏の児童、妊婦に避難勧告。自主退避者は数万、数十万人に及んだ。放射能は、“死の灰”といっても通常の灰と異なり、極微粒子なので知覚できない。どれだけの放射能がどれだけの範囲にまき散らされたのか、事故当初は誰にもわからない。後に政府機関や専門家による検証結果が出てきて、事故の規模を知ることになる。

秋田県発!秋田のフリーペーパー【あおぽ(青いポスト21)】|「あおぽ」は秋田市内のほぼ全戸にポスティング。さらにチラシの選別配布ができ、的を絞った情報発信が可能です!魅力的なトピックスとともに、地域の企業・店舗・教室・求人情報などを載せており、高いレスポンス実績があります。秋田県ネットユーザーアンケートのフリーペーパー部門にて第一位の連覇実績。一番多くの方に読まれています!

 放射能による被曝の無気味さは、事故の現場で強力な放射線を浴びれば即死または数時間ないし数日で死ぬため因果関係は明白だ。対象になるのは原発従業員や事故処理に当たった関係者である。しかし、現場から離れている住民は“死の灰”を直接浴びてもすぐ死亡することはまずない。被曝後、しばらくして吐き気や頭痛など異変が起こり、やがてリンパ腺障害やガン、白血病などの放射線被曝特有の症状に襲われる。
TMI事故でもチェルノブイリでも住民がすぐ死亡する例はなかったが、事故後にガンや白血病を発症したり、ダウン症などの障害児を出産した妊婦、あるいは小児ガンが多発するなどその影響は何年にも及ぶため正確な被害がわからない。


地震の怖さは安全装置も含めたシステムを破損する危険性

 原発事故の恐ろしさは、直接被曝だけではない。放出された放射能は大気から水、土壌まであらゆるものを汚染する。空気中のそれは雨や風とともに薄まるが、それらは地表へ落ちて水や土壌に染み込んでいく。するとそれらは草や野菜、果樹が根から吸い上げていく。汚染された水が川や海に流れ込めば、魚貝類や海草が放射能を取り込む。それらを直接食べれば当然、草を食べた牛や豚なども体内に放射能を蓄積。肉はもとより牛乳も危なくなる。
 チェリノブイリの場合は、原子炉が水蒸気爆発した後、約20日間にわたって延々と燃え続けたために、消火作業で被爆死した消防士や民兵の数は数百、数千人といわれる。放出された放射能も膨大で、それによる被爆死者は過去およびこれからを含めて50万人とする専門家もいる。同事故がいかにすさまじかったかは、いまも原発周辺30km圏内が立ち入り禁止になっていることで理解されよう。
 事故後ほぼ1年を経て、フランスやスイス、デンマークなど欧州産チーズやビスケットを日本で購入。放射能を測定したところ予想通り多くの食品から放射能が検出され、チェルノブイリ(旧ソ連ウクライナ共和国)から遠く離れた欧州各国の農産物や牛乳の汚染を確認。事故現場であるウクライナやベラルーシにおける汚染のひどさがしのばれた。これら各国住民は事故による直接被曝と食物を通しての間接被曝という二重の被曝を余儀なくされている。その結果として今もガンをはじめとする緩やかな死、あるいは子々孫々までの遺伝生涯にさらされている。
 チェルノブイリでは事故原因の一つに地震も関与していた。地震国、日本では原発の安全性が徹底的に問われなければならない。
<東海地震と浜岡原発・終了>


              
恩田 勝亘
恩田 勝亘(おんだ かつのぶ) ジャーナリスト
1943年生まれ。'71年より'07年まで講談社「週刊現代」記者として、国内外の政治、経済、社会問題を取材。主テーマの一つが原子力問題。 06年にはチェルノブイリ4号炉中枢に突入。
秋田県発!秋田のフリーペーパー【あおぽ(青いポスト21)】|「あおぽ」は秋田市内のほぼ全戸にポスティング。さらにチラシの選別配布ができ、的を絞った情報発信が可能です!魅力的なトピックスとともに、地域の企業・店舗・教室・求人情報などを載せており、高いレスポンス実績があります。秋田県ネットユーザーアンケートのフリーペーパー部門にて第一位の連覇実績。一番多くの方に読まれています!
秋田県発!秋田のフリーペーパー【あおぽ(青いポスト21)】|「あおぽ」は秋田市内のほぼ全戸にポスティング。さらにチラシの選別配布ができ、的を絞った情報発信が可能です!魅力的なトピックスとともに、地域の企業・店舗・教室・求人情報などを載せており、高いレスポンス実績があります。秋田県ネットユーザーアンケートのフリーペーパー部門にて第一位の連覇実績。一番多くの方に読まれています!
株式会社 青いポスト二十一
〒010-0925 秋田市旭南3丁目2-67 >>アクセスマップ
TEL:018-865-6383  FAX:018-863-2304  >>お問い合わせメールフォーム
Copyright (c) 青いポスト21. All Rights Reserved.
秋田県発!秋田のフリーペーパー【あおぽ(青いポスト21)】|「あおぽ」は秋田市内のほぼ全戸にポスティング。さらにチラシの選別配布ができ、的を絞った情報発信が可能です!魅力的なトピックスとともに、地域の企業・店舗・教室・求人情報などを載せており、高いレスポンス実績があります。秋田県ネットユーザーアンケートのフリーペーパー部門にて第一位の連覇実績。一番多くの方に読まれています!