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ジャーナリスト 恩田勝亘 特別寄稿

忍び寄る放射能汚染A

巨大原発事故に「収束」なし

 12月16日、政府は福島第一原発事故の事実上の収束を宣言した。事故後、政府は事故を収束させるための行程表として「ステップ1」「ステップ2」を掲げ、6月にステップ1を達成したとし、ステップ2を年内に前倒し達成するとしていた。今回の収束宣言はそれに沿ったものだが、政府の頭は狂っているとしか思えない。フクシマのような巨大原発事故は、チェルノブイリ同様に収束はあり得ない。放射能との戦いは何世代にもわたって続くからだ。

冷温停止は正常停止、緊急停止でも発電システムとしての原発に異常が無い時に使われる言葉

 政府の「収束宣言」には呆れるより、怒りを覚える。よくぞ「そんなことをヌケヌケと言えるものだ」という被災者の声が手にとるようだ。20km圏内避難者や30km圏からの退避勧告で避難している住民はもとより、それ以外に乳幼児を抱えて県外遠くへ自主避難している人も少なくない。さらにつくった米が汚染米として出荷停止された農家など、収束宣言を空しく、腹立たしく聞いている人も多いだろう。
 収束宣言の前提としている「冷温停止」そのものから、政府・東電は誤った概念を国民に振りまいている。「冷温停止」は原発の専門用語で、原発の運転を止めたとき、あるいは緊急事態が起きて自動的に止まったときに、動いているときは300度前後もあった水(湯)が100度以下まで下がったことを指す。正常に止めても、緊急停止しても発電システムとしての原発に異常はないときに使われるのが「冷温停止」だ。しかし、第一原発の事故炉はすでに原発ではなくただのガラクタであり、放射能をまき散らすだけの危険物なのだ。
 原発は車と同様に静かにブレーキを踏んで停止しても、急ブレーキをかけて止めても車自体が無事であれば問題は起こらない。しかし、何かにぶつかって大破すれば、止まったとしてもガソリン漏れで火を噴くこともある。大破すればもはや車ではない。事故炉はすべて原発ではないから「冷温停止」などというのは人を欺く犯罪的な言い方である。現に汚染水のたれ流しは止まらなければ、再臨界という核燃料が勝手に核分裂を始める危険性は去っていない。そしてすでにばら撒いた放射能による災いは延々と続く。
 その最たるものが「食」だろう。
 食はまきを焚くたき火、石油、原子力と同じエネルギーそのものである。それがなければ人は生きていけない。しかし、まきや石油と原子力の違いは明白だ。「親の因果が子に報い」という諺を思い起こさせるのが原子力だ。まきや石油は目に見えて、何か異常があれば本能的に反応できるものだが、原子力は目に見えないから想像力を働かせるしかない。いまもチェルノブイリ後遺症、すなわちガンや奇形児出産など、何世代か後に結果が出てくるのが放射能、核物質である。その塊が原発だ。そんな危険なものを受け入れた結果がいまの日本だ。原発から離れているから大丈夫、と考えるのは浅はか。いまはどこで何が起きるかわからないことを肝に銘じるときだ。
 先日、静岡県伊豆市の干しシイタケから暫定基準値の倍のセシウムが出た。原発から300kmも離れているから大丈夫、と思うのもムリはない。ただし干せば重量が軽くなり、それだけkg当たりの放射能は濃くなるので測ってみたら案の上、想像以上の値だった。それだけ今回の事故の被害は大きく広がっている。それは空気上だけではなく、海に広がり魚介類を汚染していることは前回の通りである。
 放射能には県境も国境もない。それ自体が広がっていること、そして汚染されているのにも関わらず「大丈夫」と思うのは自己都合。何代か後に奇形児やガンを発症しても、原発事故による放射能に原因があることに思い至る人はどれだけいるのだろうか。いまはあらゆる食料品が産地偽装するのは当たり前になっている。中国産品を怪しむ前に国産品から吟味し、なぜこんなことになるのかを考えるべきときだと思う。(了)


              
恩田 勝亘
恩田 勝亘(おんだ かつのぶ) ジャーナリスト
1943年生まれ。'71年より'07年まで講談社「週刊現代」記者として、国内外の政治、経済、社会問題を取材。主テーマの一つが原子力問題。 06年にはチェルノブイリ4号炉中枢に突入。
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